2696万円の増税となる
事業税は 2696万円
事業税は  0

 3443.6万円−932.4万円=2511.2万円   2511.2万円の増税となる。

事業税は3443.6万円
事業税は932.4万円
連 載 1
平成15年 春季特別号(第2249号)

税と対峙する ‐1‐

 ―税金の問題は今後10年間デパート経営においても最も重要なファクタ
ーになる― 売上増収という永遠の課題について現状の数字を死守すること
に最大限の努力を重ねている今、限られたパイ(利益)をいかに残していく
かという観点から税負担を減らすことは極めて現実的なテーマである。 と
ころでデパートは次のように税金については様々な負担を余儀なくされる立
場にある。

1. 消費税
 @ 人件費が多いので消費税負担は多くなる。
   消費税は預った消費税と支払った消費税の差額を国に納付するしくみな
   ので消費税が非課税の件費は控除対象にならない。現行の消費税は決
    して消費者からの単る預り金ではなく事業者自身の経営の進め方で変
   わるものであり、また行なう事業の性質で負担は増えてしまうことにな
   る。  

2. 固定資産税
所有する土地、建物に対して、課税されるのだが税金の課税の仕方が変則的
なので地価がこれだけ下っても税額は減っていない。 デパートは自己所有
の資産が多いので当然課税されることになるが、賃貸の場合でも貸主は固定
資産税の負担を家賃に転化するので家賃が下らない。 又、造作や備品など
に課される償却資産税の負担もある。

3. 印紙税
3万円以上の領収書には印紙の添付が必要だが、高額商品や同時に多数の商
品の購入の多いデパートでは印紙税の負担もばかにならない。

4. 事業所税
デパートは都市圏にあるので自治体が独自に課す事業所税の課税も受けるこ
とが多い。これは事業を行なう床面積が1,000u以上の企業などに課さ
れるのだが売り場の大きいデパートは格好の対象となる。

そして
外形標準課税(事業税)
 平成16年4月1日からスタートする事業税の外形標準課税の導入は赤字
法人にも事業税が課されるということで論争になったが黒字法人への課税も
従業員や家賃の支払いの多いデパートは従来と比べ大幅に増税となる。

 このようにデパートを取り巻く税金はまさに波状攻撃の感がある。儲かっ
ていれば最も税負担の多いはずの「法人税」はこの10年間に大幅に税率が軽
減されている。しかし、デパート自身の所得そのものがなくなってきている
今、法人税そのものの重圧は少ない。売上も減り、利益も減ったにもかかわ
らず相変わらず課税される税金、逆に増えたり新しく発生した税金がデパー
ト経営に重くのしかかるのである。

 弊紙はすでに来年から実施される「消費税の内税表示義務化」の問題点を
連載してきたが今後も税金の影響を徹底追及していく。

外形標準課税が導入された場合の税負担


A百貨店の税負担の具体例

平成15年 (導入前)

平成16年 (導入後)

売上(年商)

800億円

 800億円

資本金

 10億円

  10億円

従業員給料

50億円

 50億円

純家賃

7億円

 7億円

純支払利子

  3億円

 3億円

所得

1億円

 1億円


※ 平成15年と平成16年が同じ数字であると仮定している。

 
 事業税の増額状況

() 所得1億円の場合                                                                                            平成15

平成15(改正前)400万円×5%+400万円×7.3%+9200万円×9.6=932.4万円    

平成16(改正後)@所得基準額

                             400万円×3.8+400万円×5.5+9200万円×7.2=699.6万円 @

                       A付加価値基準額 給料50億円+純家賃7億円+純支払利子3億円=60億円

 イ)雇用安定控除額 50億円−(60億円×0.7=8億円

 ウ)60億円−8億円+1億円=53億円                平成16

 エ)53億円×0.48=2544万円 A                     

 B資本等の基準額

10億円×0.2=200万円 B

 C合計(@+A+B)    3443.6万円           <差し引き>

                                                                                          

(2) 所得0の場合(もし所得が赤字だった場合)

平成15(改正前)       0                        平成15
平成16(改正後) 
          @所得基準額  0 @             
          A付加価値基準額
        60億円−8億円+0円=52億円
           52億円×0.48=2496万円 A
       B資本等の基準額
        10億円×0.2=200万円 B
       C合計(@+A+B)2696万円

                                        平成16

                                      <差し引き>

  
 <検証>

外形標準課税の導入により所得1億円に対する、税額が従来より約25% 2511万円増加することになる。

  所得1億円に対する法人税等はこの他約3500万円計上される。即ち1億円の所得があっても3500万円+2511
  万円6011万円、つまり所得の約60%は税金となってしまうわけである。
  また赤字でも新たに2696万円の税金が発生してしまう。儲けが0でも2696万円の税金の支払いをしなければ
  ならないのである。
  外形標準課税は、苦しい資金繰りを直撃する危険な税金であるとうい認識を深めていただきたい。