連 載 16
平成16年1月20日号(第2264号)

税と対峙する ‐16‐

  ・高齢者への課税強化は衝撃的な内容
  ・消費意欲は大きく減退か?

                
 今年度の税制改正案が国会で審議される。今回は 大きな改正 はなかったが、特徴的な現象を見出すことができる。  
 それはいよいよ動き出した高齢者への課税強化である。税制改正があるとマスコミ等の報道は 庶民の生活を直撃 ・ 負担増ばかりの改正 など増税部分を強調することが多い。今回も高齢者への年金課税強化についてはこうした表現がつかわれているが、受け止める納税者は慣れっこになっていてあまり大きな反応はないようだ。果して今回の高齢者課税は極めて深刻なものとなりそうである。12月20日号でも述べた老年者控除の廃止は50万円の課税所得を新たに生じさせるし、別紙にもある公的年金控除の縮小も確実に所得の増加につながる。今年1月からはじまった配偶者特別控除の廃止と合わせ大増税は必至である。保有資産の運用が全く期待できない現状の経済状勢下で実収入のない高齢者世帯の可処分所得の減少は財産の食いつぶし、そして生活不安に直結する恐れがある。実施されれば目に見えて 実害 が報告されることと思われる。          
 年金所得者にとって経済的大敵は所得税だけではない。老年者控除の廃止や公的年金控除の縮小で所得が増えれば住民税も増える。住民税が増えれば、年間約60万円の範囲内で国民健康保険料も増加する。これが税金に劣らずかなりの増額になる可能性がある。このように一般の納税者の公的負担が急激に膨れあがることは最近では例がない。消費に重大な影響を及ぼすことになりそうである。次回以降も個人の所得に対し急速に進む課税強化の流れを具体的にみていきたい。          
       

公的年金収入の課税範囲の拡大

@ 65才以上の人で年金の年収130万円の人の場合

改正前 130万円−140万円=△10万円<0 *所得0
改正後 130万円−70万円−50万円=10万円>0 *所得10万円
所得増加額10万円

A 65才以上の人で年金の年収300万円の人の場合
改正前  300万円×75%−75万円=150万円 *所得150万円
 (控除額 150万円)
改正後 300万円−50万円)×75%=187.5万円 *所得187.5万円
 (控除額 112.5万円) 
 187.5万円−150万円=37.5万円  所得増加額37.5万円

(実施20051月〜)

                                                                              →最低でも5万円以上の増税へ