連 載 17
平成16年2月5日号(第2265号)

税と対峙する ‐17‐

  ・毎年加速度で増える公的負担
  ・信じがたい税負担が高齢者を包み込む?

                
 個人消費に重大な影響を及ぼす個人所得に対する増税・公的負担増額の勢いが急速に増している。今号では今迄課税されていなかった人が税制改正によってどのような状況になったか、また、現在議論されている改正が進めばどうなっていくかを具体的に検証してみたい。          
 
         
       
 1.石川 義正(68) 妻 治子(63)2人世帯
      年金収入330万円・国民健康保険料年間負担額5万円 平成15年 所得税0


【平成15年分】 この場合石川さんの所得税は0
<計算過程>

(公的)年金所得172.5万円(控除額127.5万円)

所得控除額は[社会保険料控除]5万円+[人的控除等]38万円×350万円)+[生命保険料控除]5万円=174万円

172.5万円−174万円=△1.5万円<0(所得がマイナスの為税金は発生しない)

(但し住民税は所得が17万円程度生じる為(計算式略)、定率減税と均等割を考慮すると1万円程度の負担となる。)

平成15年分は約1万円が納税額となる。

【平成16年分】 今年から配偶者特別控除が廃止になる。年金収入とその他の条件が平成15年と全く同じと考えた場合、単純に38万円の所得控除がなくなりその分の所得が増える。

[平成15年分の所得]1.5万円+[加算額]38万円=36.5万円・・・新たに発生する所得

36.5万円×10%×80%(定率減税20%考慮)=29,200円・・・所得税
33万円×5%×85%(定率減税15%考慮)=14,000円・・・住民税

29,200円+14,000円=43,200円・・・新たに増えた税金

10,000円+43,200円=53,200円・・・平成16年分は約53,200円の納税となる。
※注      住民税が増額することで国民健康保険料も増額となる。(数千円

【平成17年分】 この年から老年者控除の廃止及び公的年金控除額が縮小される
更に定率減税も廃止された場合
年金収入とその他の条件が平静15年と全く同じと考えた場合
@年金所得         210万円(控除縮小額 37.5万円)  87.5万円の所得増大
A老年者控除廃止    50万円(控除縮小額   50万円)

所得控除額は[社会保険料控除]5万円+[人的控除](38万円×2)+[生命保険料控除]5万円=86万円
210万円−86万円=1,240,000円・・・平成17年分の所得税の所得
124万円×10%=  12.4万円・・・所得税
135.5万円×5%=67,700円・・・住民税
          4,000円・・・均等割
              合計195,700円・・・平成17年分は195,700円の納税となる。
※注 住民税が大幅に増えたことで国民健康保険料も1020万円の増額となる可能性が強い。